【O157大腸菌】O型
「スコットランド中央部でO157の感染者を調査したエジンバラ大学の論文では、感染者の63.4%がO型で、有意に高い発症率だと発表。さらに重症化した患者の64.3%、死亡した患者の87.5%がO型でした。ここ10年ほどでは国内でも年間100人以上の感染者が発生しています。肉以外に、生野菜が感染源になることもあります」
【インフルエンザ】AB型
「’77~’78年にソ連で流行したインフルエンザの研究論文では、発症率が最も高いのがAB型の59%でした。’89年のフィンランドの研究者による論文でも、AB型はインフルエンザA型・B型いずれにも感染しやすく、重症化しやすいと発表されています。コロナと同じく感染力が強いウイルスなので、ワクチン接種が望ましいでしょう」
【心臓疾患】AB型
「’12年のハーバード公衆衛生大学院のルー・チー博士が、心臓病を発症した約4000人の血液型を解析したところ、O型に比べAB型が20%、B型が11%、A型が8%、心臓病にかかるリスクが高かったということです。過去の研究では、血中コレステロール値や血栓の発達リスクに血液型が影響する可能性も考えられています」
【認知障害(認知症)】AB型
「米国バーモント大学が行ったコホート研究で血液型と認知障害の関連を調べた研究では、O型に比べ、AB型は1.82倍も認知障害のリスクが高いという報告が。A型とB型では、O型と比べ、リスクの有意な変化はありませんでした。脳の酸素不足で認知症を発症することもあるため、血圧を正常に保つことがとても大事です」
【貧血】A型、O型
「’10年、理化学研究所と東京大学の研究チームが、赤血球の中にあるヘモグロビン濃度と、血液型の関連を調べた研究では、B型とAB型の女性に比べ、A型とO型の女性が21%も貧血のリスクが高いという結果に。貧血は女性に多く、主に原因は生理で、4人に1人の割合で起こります。予防的に、鉄分をサプリなどで補う方法もあります」
【脳梗塞】B型、AB型
「ワシントン大学が’09年に30~79歳の脳梗塞患者約450人を調査したところ、B型遺伝子を持っているB型とAB型の人は、O型に比べて脳梗塞の発症リスクが1.59倍という結果が出ました。心臓病同様に、AB型のリスクの高さが目立ちます。脳出血と血液型との関連については、症例数が少ないこともあり、証明されませんでした」
【卵巣がん】B型、AB型
卵巣がんの約10%は遺伝的要因によるものとされる。「ハーバード大学のコホート研究によると、’96年から’06年の10年で卵巣がんを発症した人のうち、O型に比べ、B型とAB型が1.41倍も発症率が高いことが判明。A型では発症率の優位な増加は見られず、卵巣がんにはB型抗原の血液の特徴が関連しているという指摘もあります」
もちろん、ここに挙げられている病気のリスクが低い血液型だからといって、安心できるということではない。
「性格診断をするときと同じくらいの軽い気持ちで、予防のための日々の生活習慣の見直しや、早期発見のための健康診断、がん検診のきっかけ作りにするとよいと思います」
日々の規則正しい生活やバランスの取れた食事は、誰にとっても大切なこと。それに加えて、自分とさまざまな病気との“相性”を参考にしてみてはいかがだろう。