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食後の血糖値急上昇で血管にかかる負担の蓄積は、健康寿命を脅かす恐れが。一見ヘルシーに思える食事にも落とし穴があるのでご注意を――!

 

「健康長寿のカギを握る“血管年齢”は、食習慣と深いかかわりがあります」

 

そう語るのは、糖尿病専門医で「AGE牧田クリニック」院長の牧田善二先生。血管の老化は、さまざまな病気のリスクを招く。

 

「糖質を過剰に摂取すると、血糖値の乱高下=『血糖値スパイク』が起こります。これが繰り返されることで血管の内壁が傷つけられ、血管の老化現象である動脈硬化を招きます。すると脳卒中や心筋梗塞、糖尿病や認知症などのリスク要因となります。よくかんで食べること、食べる順番の配慮も重要ですが、血糖値スパイクを起こさないメニュー選びも重要です」

 

そこで10問のクイズを出題。血糖値スパイクを防ぐ食事選びをおさらいしよう。

 

2つのうち、危ない食事はどっち?

 

【Q1】食パン or クロワッサン

危ないのは《食パン》。食パン(6 枚切り=60グラム)の糖質量は26.6グラム、クロワッサンの糖質量(25.4グラム)とほぼ同量だが、バターが糖の吸収を遅らせ血糖値の急上昇を防ぐ。糖質はタンパク質、脂質、食物繊維と一緒に食べたほうがよい。

 

【Q2】冷製トマトパスタ or トマトソースパスタ

危ないのは《トマトソースパスタ》。糖質は冷めるとレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が増加。ブドウ糖として小腸で吸収されず、血糖値が上がりにくい。ご飯も炊きたてよりも「冷やご飯」、うどんやそばも「温」より「冷」がベター。

 

【Q3】ごまドレッシング or マヨネーズ

危ないのは《ごまドレッシング》。ドレッシングを活用して野菜は多く取りたいが、市販のごまドレッシングは糖質量が多い商品もあり要注意。太るイメージがあるマヨネーズだが、含まれる脂質や酢が糖の吸収を緩やかにして食後高血糖を抑える。

 

【Q4】おかゆ or チャーハン

危ないのは《おかゆ》。低カロリーのおかゆは、消化後すぐにブドウ糖に変わり、血糖値を急上昇させる。チャーハン(1食分の糖質量約68.1グラム)は、カロリーは高いが、具が多く油を使っているぶん、血糖値の上昇も緩やかに。

 

【Q5】ショートケーキ or どら焼き

危ないのは《どら焼き》。和洋スイーツの代表格でも、糖質量ではショートケーキ(100グラム)で25.3グラム、どら焼き(73グラム)で40.6グラムと大きな差が。クリームの脂質があるショートケーキと違い、あんに使われる糖分が血管へのダメージに。

 

【Q6】あんかけ焼きそば or 塩焼きそば

危ないのは《あんかけ焼きそば》。あんかけは片栗粉を使うため、天ぷらの衣やギョーザの皮などと同様に“隠れ糖質食材”の一つ。みりんや料理酒、ソースなど調味料にも要注意。あんかけ料理には酢をちょい足しすれば糖の吸収を遅らせる効果が。

 

【Q7】ステーキ or 立ち食いうどん

危ないのは《立ち食いうどん》。糖質量は、うどん(ゆで80グラム)16.7グラム、ステーキ(牛肩ロース肉100グラム)1.8グラムと圧倒的な差が。どうしても早食いになりがちな立ち食いスタイルの食事は血糖値スパイクを起こしやすいので気をつけたい。

 

【Q8】ラーメン or タンメン

危ないのは《ラーメン》。麺単体よりも、具やトッピングを一緒に食べることで血糖値は上がりにくくなる。さらに麺よりも野菜やきのこなど食物繊維の多い食材を先に食べると効果的。うどんやそばも「かけ」や「もり」は避けよう。

 

【Q9】白ワイン or 赤ワイン

危ないのは《赤ワイン》。100ミリリットル中の糖質量は赤ワイン1.5グラム、白ワイン2.0グラムとアルコール類の中では低い。さらに、酒石酸が豊富に含まれる辛口の白ワインなら、血糖値の上昇を防ぎ、やせるという報告もある。

 

【Q10】ぶどう or いちご

危ないのは《ぶどう》。果物の果糖は吸収がよく、血糖値を上げやすい。糖質量は両者とも差がないが、糖の吸収を遅らせる効果が高い食物繊維はいちごが2~3倍多い。ブルーベリー、キウイなども血糖値コントロールに適している。

 

「生命維持のために不可欠な糖質は適切な量を摂取することが必須。糖質はタンパク質や脂質、食物繊維と一緒に食べることで、吸収が穏やかになる場合があります。また、酢をちょい足ししたり、“隠れ糖質”である料理酒やみりんなどの調味料、天ぷらの衣や点心の皮などに気を配ったりするだけでも血糖値コントロールが可能です」

 

ちょっとした心がけが、あなたの血管年齢を大きく左右する!

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