「’10年の健康寿命は男性が39位、女性が34位。そこから危機感をもって取り組んだことが実を結びました」
そう語るのは、大分県健康づくり支援課の担当者だ。
5月14日、朝日新聞は大分県の最新(’19年)の健康寿命が、男性で前回(’16年)の36位から1位に、女性は12位から4位と大きく躍進したことを報じた。
介護を受けたり、寝たきりになったりせず、健康的に暮らせるまでの年齢を意味する健康寿命。
どんな取り組みが順位を大きく上昇させたのか。
「大分県はもともと高齢者が趣味や運動をする『集いの場』事業に力を入れていて、県内に約3000カ所ある集いの場の参加率は16.3%(’19年時点)と全国1位です。さらに’14年からは働く世代の健康づくりとして健康経営事業所の認定制度をスタート。健康診断の受診率100%、禁煙など条件を満たす健康経営事業所は708カ所に。健康指導を定期的に行うなど若い世代にも働きかけてきました」
健康寿命は、3年に1回行われる国民生活基礎調査から、「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合や年齢別の人口、死亡者数などで算出。健康状態だけでなく、県民の健康に対する意識の高さにも左右されるという。
県を挙げての取り組みに成功した大分県だが、女性に限ってはさらなる躍進を遂げた県がある。前回25位から3位に大躍進した宮崎県だ(画像参照)。