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「私のクリニックには、動悸、めまい、不眠や不安など、さまざまな症状を訴える患者さんが毎日たくさんいらっしゃいます。診察していて感じるのは、もとをたどると『毒』をためすぎてしまったために、何らかの症状を招いている方が多いということです」

 

こう話すのは、工藤内科(福岡県みやま市)の工藤孝文院長だ。工藤院長が指摘する不調や病気の原因となる「毒」には大きく2つあるという。一つは「心の毒」、もう一つが「体の毒」だ。

 

「『心の毒』は心や精神をむしばんで、気力をなくす、やる気がなくなる、落ち込みやすくなるといった状態につながるもので、主にストレスが原因で蓄積するものです。いっぽう『体の毒』は、たまった部位から病気が発生します。糖尿病、がん、脳疾患、心疾患などは、どれも体の毒が蓄積された結果引き起こされる病気です。こちらは生活習慣の乱れからたまりやすくなります」(工藤院長、以下同)

 

どちらも、最初は「少し調子がよくない」「なんだかスッキリしない」程度の不調であるため、病院に行くほどではないとやり過ごしてしまうが、この段階からすでに「毒」はたまり始めている。自覚症状が現れる段階では、かなりの毒がたまっているというのだ。

 

「大切なのは、毒をきちんと排出することです。運動や入浴などで体を温めて汗をかくのは、わかりやすい『毒出し』ですが、食事によっても『毒出し』はできます。食材が持つ作用を知り、それを上手に取り込めば、毒をコンスタントに排出できるのです」

 

今回は、「毒出し」の相乗効果を得られる食材の組み合わせを工藤先生に教わった(別添表参照)。16組の食べ合わせは、いずれも互いの栄養素の吸収効果を高めたり、不足している栄養素を補い合うなど相性のよいもの。さらに、その効果を得るのに適した時間帯もある。「心の毒出し」では、安眠につながる、自律神経を整えるなど、リラックスにつながる食材が役立つ。

 

「“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンを生み出すには、トリプトファンが含まれる食材を取ることが効果的ですが、これらを摂取するのは1日の早い時間帯、できれば午前中が好ましいです。これは、トリプトファンが体内でセロトニンに変わるまでには14~15時間ほど要するためです」

 

ほかにも自律神経を整えてくれるアミノ酸のGABAや乳酸菌を取り入れて腸内環境を改善することによって心の状態を整えることもできる。鉄分が不足するとうつ病のリスクが高まるので、疲れやすい人や貧血気味という人は、鉄分だけでなく、タンパク質も意識的に取りたい。

 

「『体の毒出し』では、たまった内臓脂肪やコレステロールの排出、また血糖値を抑制する、血圧を下げるなどのはたらきがある食材を取りましょう」

 

食事に当たっては、空腹時に大量の糖質を一気に取るような食べ方は避けること。そして魚や肉、大豆などの良質なタンパク質をバランスよく取りつつ、野菜や発酵食品などを組み合わせて、血液をサラサラにしたり、体を温めたりすることが大切だ。そして余分な水分などの毒を排出したい。日照時間が短く、寒さの厳しい冬は毒がたまりがちな季節だという。食事の面から心と体の毒出しを促して、イキイキと過ごそう。

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