コロナ禍以降、帯状疱疹を発症している人が世界的に増えているという。新型コロナへの感染が帯状疱疹の引き金となることに関しては、アメリカの約200万人のデータを解析した最新研究もある(https://academic.oup.com/ofid/article/9/5/ofac118/6545460)。
50歳以上では、新型コロナに感染した人はそうでない人と比較して、感染から6カ月以内に帯状疱疹を発症するリスクが15%高く、新型コロナの入院患者では帯状疱疹の発症リスクが21%高いという。
■日本でもここ数年で帯状疱疹の発症数が増加
「原因はさまざまですが、ひとつには免疫機能が関係しています」
こう話すのは、ひめのともみクリニック院長の姫野友美先生だ。
私たちの脊髄には水疱瘡のウイルスが潜んでいる。ふだんはおとなしいが免疫力が低下するとウイルスが活性化して、神経を傷つけながら痛みを起こし、皮膚表面に達して発疹をつくる。これが帯状疱疹の発症だ。
「帯状疱疹は免疫力の低下によって起こりますが、特にホルモンバランスの乱れやすい更年期世代の女性で、帯状疱疹に罹患する人は多い。ふだんから免疫力を整えて、予防ができるようにしてほしいです。そのためにもしっかりとってほしいのがビタミンC。ビタミンCはウイルスを不活化し、増殖を抑える作用があるからです」(姫野先生)
ビタミンCはキウイフルーツ、いちごなどの果物や、ピーマン、ブロッコリー、菜の花などの野菜に多く含まれる。
「これらをサラダにしたり、焼き物や揚げ物にレモンをかけたりして、食事でビタミンCを積極的にとりましょう。食後の果物もビタミンCの吸収率がいいです」
ビタミンCは水に溶ける性質があるので、野菜スープにしてとるのも効率のいい方法だという。
「また、ビタミンCには抗炎症作用もあり、治癒を促進します。また、メラニンの過剰な生成を抑制するので、帯状疱疹後の色素沈着を抑える働きもあります。帯状疱疹は一度発症すると繰り返す傾向もあります。更年期世代の女性は若いころのような無理が利かない年代ですから、ふだんからしっかり栄養をとり、免疫力を高めることを心掛けてください」(姫野先生)