■人の手に触れるところに潜んでいる可能性が大
「浅い海で育てられ、下水や生活排水からノロウイルスを取り込みやすいカキなどに代表される二枚貝が感染源となることが多いです。ノロウイルスの症状を訴える患者さんの中には『2日前にカキを食べた』という人も多くいます」
それよりも多いといわれるのが“糞口感染”だ。便に含まれたノロウイルスが、手からドアノブや料理などに移り、最終的に口に入ってしまうのだ。
「下痢をした場合、お尻の表面にウイルスが付着します。トイレットペーパーで拭くときに、手首やシャツの裾に接触して拡散されていきます。
トイレの蛇口、ドアノブなども感染経路。石けんでの手洗いが中途半端だったりすれば、その後に接触した吊り革や手すりなどにも広がっていきます。
公共機関を利用している人を調査したイギリスの研究では、じつに28%にのぼる人の手から、便に含まれる細菌が発見されました。ノロウイルスも人の手が触れるところに潜んでいる可能性が高いということです」
感染者の便には1gあたり10億個のノロウイルスが含まれるという。
「いっぽう、ノロウイルスはわずか100個未満の少ないウイルス量でも感染するといわれています」
感染したウイルスの数によって、症状が変わってくる。