塩分、肉の控え過ぎは逆効果!? “やりすぎ”で寿命が縮む「健康習慣6」を和田秀樹氏が指摘
画像を見る お肉の揚げ物を食べられるのは元気な証拠(写真:jessie/PIXTA)

 

【4】油を控える

 

「日本人はいいと言われたらそればかりを取り、ダメと言われたら少しも取らないという極端な傾向があります」

 

その代表的な例が魚脂などのオメガ3脂肪酸と、大豆油・コーン油・ごま油などのオメガ6脂肪酸。この2つは1:4の比率で取るのが理想的。

 

「ところが、オメガ6は体を焦がす作用があるといって避ける人も少なくありません。オメガ6は不飽和脂肪酸という体内で合成できない脂肪で、摂取しなければ、体が勝手に脂肪を作り出します。脂肪が不足すると、体は炭水化物を脂肪に変えて内臓脂肪を作ることになります。しかし、高齢になると脂肪が足りていないので、皮膚は干からびて老けて見えます。“痩せているのにぽっこりおなか”は、このタイプです」

 

【5】糖質制限

 

血糖値が高いと糖尿病を招く。糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす怖い病気だから、血糖値を下げるために、糖質制限をしようというのが一般論。しかし、高齢になると血糖値も少し高いくらいでちょうどよいと和田先生はいう。

 

「私自身も糖尿病なのでわかるのですが、血糖値を下げすぎると低血糖になり、フラついたり、ひどいと意識障害に陥ります。急激な血糖値のコントロールは死亡リスクを高めることになりかねません」

 

あるアメリカでの研究報告によると、糖尿病の人がHbA1c値を6未満に下げようとしたところ、16%が低血糖の発作を起こした。対して、基準値より少し高いHbA1c値7~8にした人の発作は6.5%だったという。

 

「もちろん7~8の人のほうが死亡率も低いです」

 

また、低血糖は認知症の要因にもなりうるという。

 

「糖尿病の人のほうがボケにくいという話もあります。日本人の1日の摂取カロリーは2000kcalと世界標準の3000kcalに比べて随分低いほうです。同じ体格でも糖分を取っている人のほうが、そうでない人に比べて頭の働きが活発で社会的アクティビティも高いという事例が多く上がっています」

 

糖尿病の治療も60歳を過ぎたら、標準値まで落とそうとする必要はなく、少しゆるいくらいが長生きにつながるのだそう。

 

【6】日光を避ける

 

シミができるからとUV対策を徹底したり家に閉じこもっていると、うつっぽくなるばかりか、ビタミンDが体内で生成されず、骨がもろくなり、骨粗しょう症のリスクも上がる。

 

「年を取れば取るほど、部屋に太陽の光を入れたり、外に出て日光浴をしましょう。視界に太陽の光が入るとセロトニンの脳への取り込みにつながり、高齢者に起こりがちなうつの予防にもなります」

 

これからは思い込みは捨てて、年齢に合った健康習慣を。

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