お正月の恒例行事「初詣で」。感染リスクの観点から、参拝に二の足を踏む人も多いだろう。しかし、人気寺社を調べると、ユニークな感染対策が次々と!
コロナ禍で迎える新年ーー。
お正月には、家族の健康と幸せな一年を寺社で祈る「初詣で」が“当たり前”だったが、今年は鉄道各社も、大みそかの終日運転を見合わせており、例年どおりの参拝というわけにはいかなそうだ。
しかし、全国の神社やお寺では、安全にお参りできるよう、感染対策を講じているという。本誌は、例年100万人以上が初詣でに参拝するところをはじめ、人気20寺社の取り組みを調査。さっそく、どんな対策が行われているか見て行こう。
■おみくじは「スマホで引く」!
おみくじの入っている筒には、多くの人の手が触れる。そのため、一部の寺社では、筒に触れなくても引けるおみくじを導入。
「おみくじの筒には抗ウイルス処理も施しますが、推奨するのは『スマートおみくじ』です。スマホで事前にHPからアクセスいただくか、境内各所のおみくじ専用看板にスマホをかざす、またQRコードを読み取るなどすれば、おみくじの番号をもらうことができます」(住吉大社総務部・岡康史さん)
■柄杓を使わず「手水」をとる
コロナ対策の一貫として、多くの人の手が触れる、手水舎の柄杓を撤去し、流水式の手水で対応する寺社も多い。
埼玉県神社庁をはじめとする30の都府県神社庁は、「変わらない祈りのために」というキャンペーンを展開し、専門家の指導のもとに作成したコロナ対策の「ガイドライン」を内閣府にも提出。その「ガイドライン」では、柄杓を使わない手水の作法も紹介している。
【流水式の場合のお作法】
(1)両手を出して手を清める。
(2)水を両手で受ける。
(3)手にためた水で口をすすぐ。
(4)最後にもう一度両手を清める。
■おさい銭もお守りも「オンライン」で
東京都の神田神社は、「オンライン授与所」など、IT技術を駆使している。
「コロナ禍で遠方からお参りに来られないとの相談を受け、10月にはお札の郵送フォームをホームページ内に設置。さらに11月からは、ご祈禱や、お守り、お札のオンラインでの授与を始めました」(神田神社広報担当・髙島瑞暉さん)
また、授与品を事前にスマホやPCから申し込む「お取り置きモバイルオーダー」も実施。申し込み時に決済し(クレジットカード、銀行振込み)、受取り日を決めると当日に授与される仕組みだ。
さらに神田神社では、QRコード決済アプリ「Jコイン」による、現金を使わずにおさい銭を投入することができるシステムも準備しているそう。
全国の寺社は新旧の知見からコロナ対策を講じている。だからこそ、参拝する側も基本の対策は守りたい。くれぐれも密を避けて、幸せを祈りに参りましょう!
「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載