■高齢者無職世帯の平均生活費
〈夫婦〉夫65歳以上、妻60歳以上
食費:6万6,000円
住居費:1万4,000円
光熱・水道費:2万円
家具・家事用品:1万円
被服・履き物:6,000円
保険医療費:1万6,000円
交通・通信費:2万8,000円
教養娯楽費:2万5,000円
交際費:2万6,000円
その他支出:2万9,000円
合計(月額):24万円
合計(年額):288万円
〈単身〉60歳以上
食費:3万6,000円
住居費:1万3,000円
光熱・水道費:1万3,000円
家具・家事用品:6,000円
被服・履き物:4,000円
保険医療費:8,000円
交通・通信費:1万3,000円
教養娯楽費:1万7,000円
交際費:1万5,000円
その他支出:1万5,000円
合計(月額):14万円
合計(年額):168万円
夫婦の場合、総額月24万円程度の支出となっている。
「ただこれはあくまで総務省の統計の平均値。たとえば住居費が夫婦で1万4,000円となっていますが、賃貸に住んでいる人はまったく足りません」
では自分にとって老後の生活費にはいくら必要なのか? 高齢者無職世帯の平均生活費の項目を参考に、「あなたの『老後の生活費』の見積もり」で知ろう。
「まず、おおまかでかまいませんから、現在使っている月の生活費を項目別に表に書き込んでください」
老後の生活費は現役世代のおおよそ7〜8割と言われているので、「食費は7割でやれそう」「交際費は8割くらいかかりそう」など、自分で判断し、現在の生活費にそれぞれ0.7〜0.8を掛けて算出。
「家族構成、マイホームの有無、子どもへの教育費のかけ方などによって生活費のかかり方はさまざまですが、老後は子どもの独立などから、現役世代のいまの生活費の7〜8割が目安になります」
項目の数字をすべて足して月額を出したら、それに12をかけて年額を算出したものが、老後の生活費の年額(C)になる。
【ステップ3】「老後の特別費」を見積もる
「老後、必要になるお金は生活費だけではありません。忘れてはならないのが、医療費や介護費用。また家の修繕費など、思いがけない出費を合計すると、数百万円単位のお金が必要。その予想額(D)も見積もってみてください」
【ステップ4】「あなたの老後資金」を計算する
「最後になりましたが、老後の収入として、退職金の金額も確認しましょう。これは勤務先の人事・総務部など担当部署や労働組合に問い合わせたり、就業規則や福利厚生制度の冊子などで調べることができると思います」
退職金の金額(E)、また生命保険の個人年金保険や終身保険の受取金の金額も確認し、「iDeCo」などの積立金も合わせる(F)。
これで、あなたの老後のお金の出入りの見積もりは完了。あとは、次の「あなたの老後に必要な金額は?」の計算式に、これまで算出した(A)〜(F)までの数字を書き入れ、計算するだけだ。
〈「あなたの老後に必要な金額は?」の計算式 〉
公的年金の受け取り見込み額(A)もしくは(B)−老後の年間想定生活費(C)×65歳以降、何年生きるかの想定年数=老後期間の生活費過不足額
老後期間の生活費過不足額−特別費合計(D)+退職金(E)、私的年金など(F)の合計額=90歳になったときの老後資金
4つのステップを参考に、老後に入ってくるお金と出ていくお金の目安を書き出し、自分の老後資金の現実を把握しよう。