会話の中で、相手の人に「今日のあなたの髪型すてきね」「あなたのお子さんはとても優秀でうらやましいわ」などと褒められることがありますね。
こういうとき、「そうかしら? あなたの今日のジャケットこそ、よくお似合いよ」とか「いえいえ、とんでもない。○○ちゃんは算数のテストで100点だったんでしょ」などと謙遜したり、すぐに“褒め返し”をしたりする人が多いのではないでしょうか。
コミュニケーションとして決して間違ってはいるわけではないのですが、いつもこうした対応が続くと、相手の人に「つまらない人」「本当にそう思っているのかしら…」などと思われるおそれがあります。
こういう場合、どんな返事をすると、相手の人によい印象を持ってもらうことができるでしょうか。
ベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』シリーズの著者で、4月20日に『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社)を出版した人気マナー講師の諏内えみさんに聞いてみました。
「自分が相手の方のことを褒めたときのことを考えてみてください。
即座に『いえいえ』『そんな、とんでもない』と返ってきたらどうでしょう?
謙遜なさっていることは理解できても、一方で、そのまま素直に受け取ってほしいという思いもありますよね。
謙遜は日本人の美徳のひとつです。
それでも『いえいえ』と否定してばかりでは、せっかく褒めてくださった相手をガッカリさせてしまいます。
『いえいえ』一辺倒の方はぜひ、『ありがとうございます。そう言っていただけてうれしいです』と、褒めていただいた喜びを素直に表現することから始めてみてください。
ポジティブな言葉にはポジティブな言葉で返せると、お互いのコミュニケーションがさらに気持ちのよいものとなるでしょう。
『お世辞でもうれしいです』『そんな褒め言葉、初めて言っていただきました!』なども、適度な謙遜を含んだ上手な返し方です」
【PROFILE】
諏内えみ(すない えみ)
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。著書に累計62万部突破のシリーズ『「育ちがいい人」だけが知っていること』『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』などがある。
【INFORMATION】
書名:「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ
著者:諏内えみ
発売日:2022年4月20日
価格:1,540円(税込)
発行:光文社