コロナ禍の収入減で“申請したら”もらえるお金 年金保険料の免除も!
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■コロナ禍で“傷んだ生活”には緊急支援対策で対応しよう

 

長引くコロナの影響で、収入減やリストラに遭ったとき、市区町村の社会福祉協議会が無利子でお金を貸してくれる制度が「総合支援資金」と「緊急小口資金」。

 

「総合支援資金」は、コロナ禍で仕事を失ったり、仕事が減った人が生活を立て直すまでの一定期間(原則3カ月以内)、生活費として月20万円以内(2人以上世帯の場合)を借りられるもので、休業したり、仕事が減った人向けの「緊急小口資金」でも20万円以内を(1回のみ)借りることができる。

 

「これらの貸し付けは通常、高齢者や住民税非課税世帯などの低所得者が対象となっていますが、コロナで収入が減ったり失業したりしたときは、収入の要件はなく無条件で借りられます。『緊急小口資金』も新型コロナの影響で減収した場合は、休業していなくても借りられるようになっています」

 

コロナによる収入減で家賃の支払いが厳しくなったら、家賃相当額が3カ月給付される「住居確保給付金」を申請しよう。

 

「賃貸住宅に住んでいる人が対象で、持ち家でローンを支払っている人は対象外です。コロナで生活がピンチになったら、市区町村にある社会福祉協議会、役所の福祉課にもらえる対象かどうかを含めて遠慮なく相談してみましょう」

 

新型コロナの影響で要件が緩和されているが、これらの申請期限は今のところ8月31日となっている。期限を過ぎると借りられなくなるので、役所のホームページで最新情報を確認しよう。

 

■納付の免除・猶予も「もらえるお金」の一部

 

また、コロナ禍で失業してしまった場合には、国民年金保険料の免除・納付猶予制度もある。

 

失業すると、勤務先で加入していた厚生年金保険から国民年金保険に切り替わるが、月1万6590円(’22年度)もする保険料を失業中に支払うのは大変。そんなときにこの制度を利用すると、保険料を支払わなくても年金の受給資格期間に反映されるのだ。

 

「コロナの影響で収入減になったときは、特例措置として簡易な手続きで利用できるようになっていますが、年金額の計算上は、免除期間の納付保険料は本来納める額の2分の1とみなされます。また、納付猶予になった期間については、将来受け取る年金額には反映されず、満額支給にはなりませんので覚えておきましょう」

 

収入が少ないときは公共料金の支払いも苦しいもの。電気やガス、水道など、公共料金の支払いが滞ると供給停止となってしまう恐れがあるが、これも事前に申請しておくことで支払いを猶予してもらえる可能性がある。ちなみに、東京都では水道料金は最長1年間、電気・ガス料金は1カ月先延ばしできる特例がある。

 

■生活全般にかかわる「もらえるお金」一覧

 

【総合支援資金】問合わせ先:市区町村の社会福祉協議会

収入減で生活が苦しいとき、無利子で貸付が受けられる。2人以上世帯で月20万円以内を原則3カ月以内。申請期限2022年8月31日まで。

 

【緊急小口資金】問合わせ先:市区町村の社会福祉協議会

収入減で生活が苦しいとき、無利子で貸付が受けられる。貸付額は20万円以内。申請期限2022年8月31日まで。

 

【生活困窮者自立支援金】問合わせ先:市区町村

緊急小口資金等の特例貸付を終了した世帯、利用できない世帯が利用できる。2人世帯8万円、単身世帯6万円、3人以上世帯10万円を3カ月支給。申請期限2022年8月31日まで。

 

【住居確保給付金】問合わせ先:市区町村

収入減で住居を失う恐れがあるとき、市区町村が定める金額を上限に、原則3カ月(延長は2回まで最大9カ月)支給される。給付終了後、再度新型コロナの影響で収入源の場合、さらに3カ月再支給が可能。申請期限は2022年8月31日まで。

 

【国民年金保険料の免除・納付猶予】問合わせ先:市区町村の国民年金課

国民年金保険料の納付が困難なときは免除の申請をすることで、加入していたとみなされる。ただし、満額支給にはならない。追納は可。

 

【公共料金の支払い猶予等】問合わせ先:各契約事業者

新型コロナの影響で支払いが困難なとき、電気・ガス・水道料金の支払い期限の猶予が受けられる。措置を講じている事業者については地域ごとに要確認。

 

収入減の急場をしのぐには、契約している会社や自治体にどんな「特例」があるのか確認しよう!

 

【PROFILE】

井戸美枝

社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー。最新刊の『「届け出」だけでもらえるお金・戻ってくるお金』(宝島社)をはじめ、監修、著書多数

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