■価格据え置き商品を見分けるポイント
【4】春、値上げがすでに予告されている品目はPBで選ぶ
「値段が変わらない商品では、重量および個数を少なくしている、あるいは原材料の種類を少なくしている、パッケージを簡素化している、宣伝頻度を減らしている、などの工夫がされています。これらをまとめると、パッケージがシンプルでデザインに凝っていないもの、CMなどで見かけない商品は、コストセーブができます。代表的なのがプライベートブランド(PB)商品でしょう」
とはいえ、昨年からの値上げラッシュのなか、価格据え置きで頑張っていたPBも、ここへきて値上げせざるをえなくなっているようだ。それでもナショナルブランドより安いので、PBには引き続き注目したいところ。
「間に問屋がいないのでコストを削減でき、そのぶん価格を抑えられるのがPBのメリットです」
たとえば、イトーヨーカ堂の新しいPBラインとして昨年9月に展開を開始した「セブン・ザ・プライス」は、イトーヨーカ堂のブランドのなかでも最安値のラインナップだ。
そのほか、イオン、西友、オーケーなど、各社がPB商品を展開し、それぞれの特徴を打ち出している。’21年にデザインを刷新したドン・キホーテのPB「情熱価格」は、大容量にすることで、相当のお得感を演出している。
スギさんが特に注目しているのが、パン、パスタ、乾麺、冷蔵・冷凍麺など、日常的に食べる主食にあたる商品だそう。
「毎日食べるものをあえて頑張って安くすることで通ってもらえるようになると、ほかの商品も買ってもらえます。そうすることで自然と客の囲い込みができるようになるため、これらの商品をフックとしてお買い得価格を設定しているところも多いようです。いつも行かれているスーパーの『毎日食べる食品』の値段をチェックしてみてください」
もはや値上げを回避することは不可能となっているが、そのなかでも少しでもお得に買い物ができるようになりたい。そんな読者のために、スギさんが推奨する新しい買い物の「3カ条」を紹介しよう。
【新しい買い物の「3カ条」】
〈1〉「広告の品」を優先して買う
〈2〉個別パックや少量パックを買っていたものを、お得な大容量のものにする
〈3〉買い物時に、たとえば10品カゴの中に入れていたとすれば、最後に見直して1品減らす
「値上げは平均して10%程度ですが、3カ条を実践すると確実に1割は出費を抑えることができます」
値上げはこれからも続くだろうが、そのたびに戸惑うよりも、買い物スタイルを変えることで、無駄を減らす機会と捉えてみるのもいいかもしれない。