秋の味覚狩りで間違えると嘔吐、錯乱も……すぐそこにある「猛毒キノコ」危機
画像を見る 今回、中毒症状を引き起こした「テングタケ」(写真:中井寿一/アフロ)

 

■派手なキノコが毒と思ったら大間違い。よく知っているしめじやなめたけに似た「地味な色、形、サイズのキノコ」が猛毒注意!

 

今回、中毒症状を引き起こした「テングタケ」は、傘が灰褐色やオリーブ褐色で、白色のいぼが表面に散在し、柄の表面は小鱗片で、基部にはつぼの名残が襟巻き状に白く残る。
夏から秋に発生し、広葉樹林の地上に発生する。食後30分ほどで嘔吐、下痢,腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れ、そのほかに,神経系の中毒症状,縮瞳,発汗,めまい,痙攣などで,呼吸困難になる場合もあるという。多くは1日程度で回復するが,なかには死亡例もある、怖い毒キノコの代表だ(以下すべて厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」参照)。

 

では、ほかにどんなキノコに注意が必要だろうか。

 

 

秋の味覚狩りで間違えると嘔吐、錯乱も……すぐそこにある「猛毒キノコ」危機
画像を見る 食用でおなじみのシイタケやヒラタケ、ムキタケと似ている「ツキヨタケ」(写真:大海秀典/アフロ)

 

上記と同じく2012年から2021年にかけて、毒キノコの種類別食中毒患者数が最も多いのが、食用でおなじみのシイタケやヒラタケ、ムキタケと似ている「ツキヨタケ」。このキノコは、傘は初め黄褐色で、成熟すると紫褐色から暗紫褐色になり、半円形をしている場合が多い。柄は、太く短い。特に秋に発生し、ブナやイタヤカエデなどに重なり合って発生している。食後30分から1時間程度で嘔吐、下痢、腹痛など消化器系の中毒症状が現れ、幻覚やけいれんを伴う場合もあるが、翌日から10日ほどで回復する。

 

 

秋の味覚狩りで間違えると嘔吐、錯乱も……すぐそこにある「猛毒キノコ」危機
画像を見る ホンシメジ、ハタケシメジなどと似ている「クサウラベニタケ」(写真:大海秀典/アフロ)

 

次いで多いのが、ホンシメジ、ハタケシメジなどと似ている「クサウラベニタケ」。このキノコは、めじんなかせ(岩手,青森県),にたり(埼玉県,前橋市,大分),あぶらいっぽん(前橋市),ささしめじ(金沢市),にせしめじ(秋田,青森地方),うすすみ,さくらっこ,どくよもだけ,どくしめじ(秋田県),いっぽんしめじ(岩手,新潟,富山,長野県),あしぼそしめじ(埼玉)など、全国で異名を持つことから、日本各地で自生していることがわかる。傘は灰色や黄土色、茶色の場合が多く、乾燥時は絹のような光沢があり,湿潤時は濡れたような色,ムラがあり,粘性がある。柄にも絹のような光沢があり、比較的細い。夏から秋に発生し、広葉樹の地上に発生する。食べると、嘔吐,下痢,腹痛など、胃腸の消化器系中毒を起こし、唾液の分泌、瞳孔の収縮、また、発汗などムスカリン中毒の症状も現れる。

 

厚生労働省は「食用と確実に判断できないキノコは、絶対採らない、食べない、売らない、人にあげないを徹底してほしい」と呼びかけている。キノコ狩りに豊富な経験を持つ人でも、毒キノコで食中毒を起こす例があとを絶たない。いつも食べているキノコと同じように見えるからOK、虫やリスなどの動物が食べた跡があるから大丈夫などと、自分の判断だけでキノコを採取したり食べたりすることは、絶対に避けよう。

出典元:

WEB女性自身

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