■解約させないようにしている悪質な事業者も
どんな実例があるのか、またその対処法は?
インターネットの商取引に関する相談を受けている一般社団法人ECネットワーク理事の原田由里さんに聞いてみた。
【実例(1)】サブスクを20年間で12万円払い続けたケース
《月々数百円程度だと軽く考えサブスクを放置。『~プレミアム』といった会員制プログラムの月500円のサブスクを20年間払っていました。これまで12万円以上をムダに》(60代の男性)
「サブスクのトラブルのなかには、解約するのを忘れて利用していない期間も定額料金を支払っていたケースも。
とくに商品が手元に届かないサブスクは、契約が継続していることに気付きにくい。クレジットカードの明細を毎月確認して、利用していないサブスクがないか確認することが必要。
また契約時に設定したIDやパスワードを管理しておくこともポイントです」(原田さん、以下同)
サブスクのサービスがスマホのアプリの場合、アプリストア(AppStoreやGoogle Play)にある現在契約しているサブスクのリストから解約したいサービスを選べばいい。
また動画配信サービス「ネットフリックス」には一定期間利用がない場合、通知や自動的に解約される機能がある。
このように“大手のサブスク企業”の解約手続きはさほど難しくない。
【実例(2)】悪質サブスクの落とし穴にはまったケース
《動画を見ていたら“シミが消える”という美容クリームの広告が。1万円の商品が初回限定500円で購入できると書いてありクレジット決済で注文。クリームが届きましたが、その後、毎月1万円のクリームが届き続ける定期購入の契約になっていました》(60代女性)
最近増えているのが、SNSや動画のバナー広告からサブスクへ誘い込む悪質な事業者だ。
「SNSには中高年層をターゲットに容姿に関するコンプレックスの解消をうたった商品のバナー広告も少なくありません。
販売サイトに移動しても、契約する前に説明をよく読み、事業者への連絡手段だけでなく、解約方法や条件も確認しておくこと。
たとえば『1カ月無料』とあっても、加入日の1カ月後なのか、月末までなのか事業者によって設定が違います。
また無料や割引期間がいつ有料になるかを確認したり、契約画面のスクリーンショットを撮ったりすることも忘れないでください」
