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「高齢化が進んだことによって、認知症患者の数はものすごい勢いで増えています。現在、予備軍も含めて、その数なんと800万人。今後さらに増えていく可能性はもちろん高いため、脳の研究においてもその予防や治療は、重要なテーマとなっています」

 

そう語るのは、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授。のべ16万人ものMRI(脳画像)を見てきた脳医学者で、新刊『生涯健康脳』(ソレイユ出版)が注目を集めている、脳と加齢のエキスパートだ。加齢は認知症発症の最大のリスクだが、心がけ次第で予防も可能!そこで瀧先生監修のもと、二択クイズを作成!あなたの生活で「どっち」に当てはまるかで答えてみて!

 

【Q1】夫婦では「仕事人間の夫」と「専業主婦の妻」、どっち?

 

【A1】専業主婦の妻。「認知症のリスクを下げるものとして、確かなエビデンス(根拠)が出ているものは、いまのところ3つです。ひとつ目が運動で、ふたつ目が趣味など知的好奇心。そして、3つ目がコミュニケーションです。仕事人間で趣味も友人もない人は、とくに退職後、孤独に陥りやすく、脳を使う機会も減るため要注意。いっぽう専業主婦は、近所付き合いなどふだんからコミュニケーションも豊富なため、認知症になるリスクは仕事人間の夫より低いでしょう」

 

【Q2】結婚で「既婚者」と「おひとりさま」、どっち?

 

【A2】既婚者。「孤独は認知症の大敵。ある程度幸せな結婚生活であることが大前提ですが、パートナーがいたほうが認知症にはなりにくいでしょう。とくに中高年の男性は、妻との死別や離別を境に認知症やうつ病になりやすい傾向がありますが、これも男性には仕事人間が多く、趣味や友人が乏しいことが原因として考えられます」

 

【Q3】仕事で「会社を経営」と「雇われている」、どっち?

 

【A3】会社を経営。「ストレスはコルチコイドという物質を分泌させ、記憶や認知をつかさどる脳の『海馬』を萎縮させるため認知症の大敵です。経営者は一見、ストレスも多いと思われがちですが、仕事では『コントロール・アビリティ』(自分で作業の質や量を調整できること)が高いほうがストレスは少ないといわれています。地位が高い人はこのコントロール・アビリティが高いため、経営者は雇われている人より、ストレスが少ないといえるでしょう」

 

【Q4】立場で「会社員」と「フリーランス」、どっち?

 

【A4】フリーランス。実務のほかに経営、営業など何役もこなすことが多いのがフリーランスの特徴。

「そのぶん、さまざまな脳の機能を駆使しています。また、経営者同様、フリーランスの人もコントロール・アビリティが高い傾向に」

 

【Q5】先々のことについて「慎重」と「楽観的」、どっち?

 

【A5】楽観的。「慎重な人はリスクも含めて先々のことをきちんと考えられる人でもあるので、決して悪いことではありません。ただ、取越し苦労によるストレスが続くと、前述のとおり海馬が萎縮してしまうので気をつけましょう」

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