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ちまたに「老後資金づくりに新NISA」などの宣伝文句があふれても、「やっぱり投資は怖い」人もいる。銀行預金では増えないことはわかっていても……。

 

「日本銀行が7月31日に政策金利を0.25%に引き上げる追加利上げを決めました。 金利のある世界が戻ってきます。預金利率もゆっくりと上がってくるでしょう。なかでも、いち早く上がってきたのが『個人向け国債』です」

 

そう話すのはファイナンシャルプランナーの高山一恵さん。

 

個人向け国債とは、半年ごとに金利を見直す「変動10年」、金利が変わらない「固定5年」「固定3年」の3種類が毎月発行され、1万円単位で購入できるもの。半年ごとに利子が支払われ、満期まで保有すると元本が戻る。債券には発行元が破綻した場合の補償はないが、国債の発行元は日本国だから破綻の心配はないだろう。

 

「国債利率は長年、最低金利の0.05%付近でしたが、2023年ごろから上がっています。8月発行分は、変動10年が0.72%と大手銀行の10年定期の2.4倍。固定5年の0.61%、固定3年の0.38%も上々の利回りです」(高山さん、以下同)

 

国債は元本が減らない安心感が最大のメリットだ。また、最寄りの銀行やゆうちょ銀行などで簡単に買える手軽さもポイントだそう。

 

いっぽう、デメリットは?

 

「国債は1年以上保有すれば中途換金でき元本割れはありませんが、直近2回の金利が引かれます」

 

8月8日から募集が始まる9月発行分はさらなる金利上昇が見込まれ、投資抜きで資産形成を目指す“奥の手”となりそうだ。

 

■ネット銀行の利回りは大手銀行の20倍にも

 

国債以外にも、元本が減らずに資産形成に役立つものがある。

 

「ネット銀行の定期預金には高利回りのものがあります。大手銀行の1年定期0.025%と比べると、ネット銀行は20倍のものも。見逃せません」

 

ただし、新規の口座開設者に限った定期預金の利率アップや、期間限定のキャンペーン金利などもある。利率アップの条件に該当するか、よく調べよう。

 

日銀の政策金利引き上げを受け、大手銀行は、普通預金の金利を0.1%に引き上げると発表した。今後定期預金の金利も引き上げを予定しているという。

 

「大手銀行だけでなく、利率を上げるネット銀行もあるでしょう。こまめな情報収集が大切です」

 

金利上昇の機会に、元本を減らさない国債やネット定期を駆使して老後資金を増やそう。

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