「ペダルに足が届くのか?」との偏見を一蹴!日本初女性機長が示した「女性こそパイロットに向いている理由」
画像を見る 柔らかな表情と穏やかな口ぶりで語るが、話す内容は「頑固な女子が夢を諦めないド根性物語」。芯の強さが伝わる(撮影:水野竜也)

 

■水上飛行機のライセンスを取得し次の夢へ。「60歳を過ぎたら“遊覧ばあちゃん”に」

 

これまで、不可能を可能にしてきた藤さんでも、まだ達成できていないと思うことがある。それは女性パイロットを増やすこと。現在、日本人パイロット約7000人のうち女性は142人に過ぎない。後輩の育成にも携わってきた藤さんがこう語る。

 

「客席からの景色も素敵ですが、コックピットからは格別です。それにこれほどやりがいのある仕事はないと思っています。そもそも女性でもパイロットになれるということがあまり知られていません。

 

女性だと育児や出産、さらには介護との両立が難しいと思う人も多いでしょう。でも、女性の客室乗務員も、みなさん産休・育休後も復帰してしっかり仕事をしています。私たちパイロットもそういう制度を活用できるので問題はありません」

 

これからも、藤さんはパイロットという仕事の魅力を子どもたちに伝えていくという。

 

’24年、日本航空では、同社初の女性社長が誕生。社長となった鳥取三津子さんが客室乗務員出身ということで大きく注目された。もしかしたら、藤さんにも役員にという誘いがあるのでは?

 

「うーん……、私はあくまでも現場の人間であり、地上での仕事より空の仕事にこだわっていきたいですね。以前は定年の60歳まで飛び続けたいと思っていましたが、定年が延びて、もう少し長く飛行機に乗れるようになりました。

 

その分、加齢とともに衰える部分を自身で認識していかなければなりませんが、できる限り空を飛び続けたいと思います」

 

2歳半で空に魅了され、高校生のときに空を飛ぶ職業に憧れ、迷いなく夢を追ってきた。7年前に水上飛行機のライセンスを取得したのもそのひとつ。

 

「60歳を過ぎたら“遊覧ばあちゃん”をやろうと思って、水上飛行機のライセンスを取得しました。アメリカ・シアトル郊外では湖から飛び立つ水上飛行機による遊覧が盛んで、いつか飛行機を操りながら『ばあちゃんは昔、旅客機に乗っていたんだ』と観光客に自慢したいんです」

 

大空へ向かう、彼女の夢のフライトは続く。

 

(取材・文:山内太)

 

画像ページ >【写真あり】ボーイング737型機の飛行訓練教官のころ(中央)。笑顔と緊張をほぐす一言で、後輩たちの厳しい訓練を見守っていた(他4枚)

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