コロナ禍で急増“あごの痛み”を改善する「アイーン体操」
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■痛みを放っておくと、「変形性顎関節症」になることも

 

では、顎関節症を予防・改善するにはどうしたらいいのか。

 

日本訪問歯科協会所属の歯科衛生士・北岡千恵さんに顎関節症を防ぐ3つの体操を教えてもらった。

 

咬筋と表情筋を意識的に動かすとこりが解消できるという。

 

あごの筋肉をほぐす【咬筋ほぐし体操】

 

歯をかみ締めたときに膨らむエラのあたりを円を描くように人さし指で10回マッサージ。指を前方に少し動かし、同じようにマッサージする。このとき上下の歯はかみ合わせず、少し隙間を空けた状態で行う。

 

ポイント:マッサージをするときは、“痛気持ちいい”くらいの強さで押そう。

 

表情筋を動かす【あっぷっぷ体操】

 

〈1〉舌で頰と唇の上下を膨らませる

舌を左右の頰と上唇と下唇の裏に各3~5秒間、ゆっくり押し当てて膨らませる。2~3回繰り返す。

〈2〉空気で頰と唇の上下を膨らませる

口を軽く閉じ、空気で左右の頰と上唇と下唇の裏を交互に各3~5秒膨らませる。2~3回繰り返す。

〈3〉〈2〉よりも大きく膨らませる

〈2〉よりも大きく、空気で左右の頰と上唇と下唇の裏を交互に各3~5秒膨らませる。2~3回繰り返す。なるべくたくさん空気を入れて膨らませる。

 

ポイント:口から空気が漏れても大丈夫なので、恥ずかしがらずになるべくたくさん頰に空気を入れて膨らまそう。

 

あごの緊張をほぐす【アイーン体操】

 

〈1〉あごを前にスライドさせて左右に動かす

上下の奥歯を軽くかみ合わせたまま、顔をまっすぐに保ち、あごをゆっくり前方にスライドさせる。その状態で、あごを左右に3~4回無理のない範囲でゆっくりと動かす。

〈2〉口を大きく開けてあごを戻す

〈1〉の状態で口を大きく開ける。ゆっくりと口を閉じて上下の奥歯をかみ合わせる。5~10回繰り返す。

 

ポイント:あごを前に出すときは、決して無理せず違和感があったらすぐに中止すること。あごを突き出すことで筋肉が伸び、緊張がほぐれる。

 

「アイーン体操は、無理に行うとあごが外れたり、痛みが出る場合があるので、1日10回を上限に、ゆっくり行いましょう」(北岡さん)

 

基本的に2~3週間で自然と痛みが引くというが、放っておくと、変形性顎関節症になる場合もある。

 

「3週間以上、違和感や痛みが続く場合は、かかりつけの歯科に診てもらいましょう」(小見山先生)

 

マスクを外す機会も増えてきたが、あごの不調は今のうちに改善しておこう。

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