けいれん、幻聴など依存の可能性あり!長期・高容量服用がもたらす向精神薬の危険性
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■依存症や副作用も。使用法には注意を

 

晩酌しながらの食事を好む人にとってアルコールと薬の併用は禁忌だが、守れない人も多いだろう。

 

「アルコールと同時にお薬を飲むことはなくても、薬を服用している間はアルコールを控えるべきです。アルコールの入った体に睡眠薬を入れると、アルコールの作用が強まったり、急激に薬が効いてしまうなどの“危険な作用”を起こすこともあります」

 

向精神薬を服用するにも、使用は1週間~10日程度の短期間が基本であることを知っておこう。

 

「向精神薬は取り扱いに関する規定が設けられていて、14日、30日、90日と投薬日数が制限されています。これは向精神薬の乱用や依存を防ぐためです。しかし、繰り返し処方してもらえば長期投与となり、依存のリスクも大きくなります」

 

依存状態になると、不安、けいれん、幻聴などの症状が起こり、薬をやめることが難しくなる。

 

薬の長期服用は、肝臓、腎臓の機能にもダメージを与える。

 

「そもそも肝臓には解毒作用、腎臓にはろ過作用がありますが、高齢になるほど多剤服用の傾向がありますから、肝・腎機能に相当な負担をかけているはずです。そういう意味でも、向精神薬の長期服用は注意が必要です」

 

しかし、だからといって、決して独自の勝手な判断で急に服用をやめたりしないように。薬の離脱症状もあるので、まずは少しずつ薬を減らす“減薬”から始めよう。

 

「まず、主治医に減薬の意思を伝えましょう。もし、主治医が減薬に応じてくれない場合、セカンドオピニオンを求めてもよいと思います。今は減薬の重要性を理解して、勧める医師も増えています」

 

■薬に頼らない生活を取り戻すには?

 

できたら毎朝早起きして、朝日を浴びること。セロトニンが分泌されて、夜になるとセロトニンを材料にメラトニンが作られることで自然と眠くなる。日中の運動も心掛けよう。

 

「薬は、眠れなくて生活に支障が出たり、困っているときに一時的に使うためのものです。長期間にわたって使用し、『飲まないと不安だ』という場合はすでに“依存症”です。さまざまな副作用のリスクをはらんでいることを忘れないでください」

 

体は太陽のリズムに反応してくれるし、運動をすることでそのリズムを取り戻すこともできる。頑張って、薬の不要な道をゆこう。

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