■会社を休まなければならないときは「傷病手当金」を申請しよう
【仕事で困った】
(5)治療のため長い間、会社を休まなければならない
がん情報センターの患者調査によると、就労していた患者のうち、がんで休業・休職した割合は全体の54.2 %にのぼった。
「病気で会社を休んだときに利用したいのは、『傷病手当金』。病気のために仕事を3日連続で休んだ場合、4日目以降には標準報酬日額の3分の2が、トータルで1年6カ月分まで支給される制度。
協会けんぽや組合健保、会社などに申請して、手続きします。ただし、国保に加入する自営業者などは、利用できません」
(6)治療のためやむなく仕事を辞めるはめに
「がん患者の場合、治療後に復職できても、思うような仕事をできず、退職してしまう人もいます」がん情報センター調査でも、がんによって退職・廃業した割合は19.8%。5人に1人が仕事を失ったと回答している。
「仕事を辞めたときにもらえる雇用保険の基本手当の受給はハローワークで申請しますが、退職前の2年間で、12カ月以上の被保険期間が必要です。
たとえば給与月額が30万円で45歳以上60歳未満の場合、基本手当は月額約18万円で、所定日数(90〜360日)受け取れます。
しかし、傷病手当金と同時に受給することはできません。受給期間を4年延長することができるので、延長手続きをしておけば、傷病手当金終了後に受給できます」
ただし「労働の意思および能力があること」が大前提で、がんの治療中で働けない人は対象外だ。