ニオイやかゆみ…閉経後のデリケートゾーントラブルは洗いすぎ、拭きすぎ、蒸れすぎが原因
画像を見る よかれとしている勝手な思い込みによる対処が悪化原因にも

 

■お風呂でせっけんで丁寧に洗う……よかれとしている勝手な思い込みによる対処が悪化原因

 

GSMは進行性のため、「年だから仕方がない」とほっておくと、症状を悪化させてしまう恐れも。

 

「すでに症状がある方は、間違ったセルフケアをしているケースも少なくありません。“デリケートゾーンが汚れているから症状が出る”と思い込み、清潔にすれば症状が回復すると考えている女性は非常に多く、洗いすぎで慢性化している人がほとんどです」

 

そこで、GSMを改善するために注意すべきことを二宮先生に挙げてもらった。

 

【1】せっけんを使わず軽く洗い流すだけ

 

「せっけんでゴシゴシと洗うのをやめましょう。皮膚のバリア機能まで取り除いてしまい、乾燥の原因になったり、細かい傷ができて雑菌が増え、膀胱炎や臭いのもとになります。ぬるま湯で流すだけで、汚れや雑菌は十分に落ちます」

 

シャワーで洗い流すときは、お湯が膣内に入らないようにしよう。膣内に水がたまり、不衛生な状態になる恐れがあるという。

 

「陰部の皮膚と粘膜部分のミゾには粘膜の反応で、こすると白いカスがポロポロ出ます。汚れと勘違いして、ツルツルになるまで取り除き、炎症を起こしている人も。粘膜部分は潤っているのが正常なのに、湿り気を取ろうと内側まで洗ったり、ドライヤーで乾かしたりする人はやりすぎです」

 

【2】洗浄機付きトイレは厳禁

 

当たり前のように使っている温水洗浄便座も、GSMになる一因だとか。

 

「【1】と同じ理由で、必要なバリアを壊してしまいます」

 

温水洗浄便座などの水圧による洗浄は、大便後でも必要なし。10秒以上の使用、強い水圧、腸内洗浄や膣洗浄のための使用は厳禁。

 

【3】排尿後は「くるくる3回、くしゃくしゃ、ポンポン」

 

トイレ後は、トイレットペーパーを3周分ほど手に取り、くしゃくしゃと軽く丸めたら、こすったり、べったり当てたりせず、軽く押さえるようにポンポンと拭き取るだけで十分。

 

「それでも排尿後が気になるという方は、ある程度おしっこをためてからトイレに行くのをおすすめします。200cc以上しっかりためてから1回で出し切ると、膣まわりが汚れにくくなります」

 

【4】ワセリンを指の第2関節まで取り、べったり塗る

 

おりものが少ない人や、乾燥が気になるという人は、お風呂のあとにワセリンで保湿の徹底を。ワセリンを手指の第2関節までたっぷり取り、指先をこすりあわせてのばし、大陰唇全体をカバーするように十分に塗る。

 

「ポイントは、量をケチらず、たっぷり塗ること。粘膜まわりに塗るので、ボディクリームやアルコールを含む化粧水は避けたほうが無難です」

 

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