認知機能を維持するための生活習慣!「1日1万歩」が“逆効果”な理由
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■まずは生活習慣を整え規則正しい日常生活を

 

では、私たちはどうすればMCIを予防・改善できるのだろうか。著書に『もしかして認知症? 軽度認知障害ならまだ引き返せる』(PHP新書)などがある鳥取大学医学部認知症予防学講座の浦上克哉教授は、こう話す。

 

「脳の神経細胞には、生活習慣病が大きなダメージを与えます。特に高血圧、糖尿病、脂質異常症の3つが、認知症とその予備軍であるMCIに悪影響を与えるんです」

 

これらの病気の共通項は「動脈硬化である」と浦上教授は続ける。

 

「生活習慣病によって血管や血流に大きな悪影響があり、脳の神経細胞の代謝にも悪影響が出ることで、神経細胞は弱って、死んでいってしまいます。したがって、日常生活を見直すことがMCIの予防・改善に結びつくといえるでしょう」

 

まずは、規則正しい生活から。

 

「朝、きちんと起きて歯を磨く、3食バランスよくとる、そして質のいい睡眠を取ることです」

 

仕事や家事などでは、指先をよく動かす作業が、認知症、MCI予防には重要だ。

 

「指先を動かすといっても、パソコンのキーボードを打つより、手書きで文字を書いたほうがいい。パソコンは変換機能につい頼ってしまいますから、漢字を忘れたり、字が書けなくなったりするんです」

 

塗り絵や、クロスワードパズルなども効果的だという。

 

■適度に筋トレを取り入れ女性ホルモンを上げる

 

次に、運動も非常に重要だが、ただ長時間歩くだけでは、むしろ逆効果になることもあるというから要注意だ。

 

「特に65歳以上であれば、『1日1万歩』という目標は多すぎると考えられます。有酸素運動をそこまですると、逆に筋肉量が落ちてしまいますので、7千歩程度にとどめたほうがいいでしょう」

 

そして、残りの体力は筋力トレーニングやストレッチに充てるべきだと浦上教授。

 

「特に女性は、高齢になると骨粗しょう症のリスクが出てきます。転倒―骨折―入院となれば、認知症にどんどん近づいてしまいます。ちょっとしたことでの転倒防止のためにも、筋トレは少しでも行うべきです」

 

そもそも、アルツハイマー型認知症でいえば、「女性が1.5~2倍と、男性より患者数が多いといわれています」と浦上教授。

 

「女性のほうが、平均寿命が少し長いのも一因かもしれませんが、やはり女性ホルモンが低下することも関係しているのではないかと思われます。女性の場合の認知症予防や改善に『化粧療法』というのがありますが、人に見られること、おしゃれをすること、集まりなどに出て異性と交流することなども、ホルモンアップに大事です」

 

チェックリストの記入の結果、少しでも不安があるという人は、日常生活から見直していこう。MCIの予防・改善は、QOL(生活の質)の向上から!

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