1968年の「ボンカレー」発売から46年。今もレトルトカレーは着実に進化し続け、売り上げを伸ばしている。日本が誇る最強のラクチン飯だ。
毎年、100〜200種が誕生しては消えていくといわれるレトルトカレーだが、これぞ!の珍カレーを、『横濱カレーミュージアム』のプロデューサーを勤めた井上岳久さんに紹介してもらった。
《阪急百貨店大食堂の名物カレー》(ハウス食品・513円)
「1929年、世界初のターミナルデパート『阪急百貨店』に大食堂がオープン。その目玉メニューがカレーライスでした。1日に1万3千食も売れた、そのレジェントを復刻して’11年に発売されたのがコレ。オンラインショップなどでも発売中」
《よこすか海軍カレー ネイビーブルー2食入り》(調味商事・972円)
「日本のカレーライスの“ルーツ”といわれる横須賀。中小メーカーから数種類が販売されていますが、名前はどこも同じ(笑)。これは国産牛肉を使い特製スパイスでじっくり煮込んだレストラン風。横須賀カレー本舗ほかオンラインショップで」
《札幌スープカレーの素》(ソラチ・2食入り・270円)
「『豚丼のたれ』で有名なソラチが、’12年に発売したスープカレー。北海道限定販売で、空港、ターミナル駅、お土産店でしか買えないレア商品。クオリティの高さから、累計100万食以上の大人気に」
《スパイスカレー ビーフ(中辛)》(井上スパイス工業・540円)
「’06年、スパイス一筋の老舗が28種類のスパイスを使用して開発。化学調味料、着色料、添加物、乳化剤、保存料は一切使っていないというこだわりの商品。ネット通販『スパイスタウン』で購入できます」
《カシミールカレー》(デリー・690円)
「激辛にしたいだけなら自分で足せばよいのですが、このカレーは“後を引く辛さ”が魅力。ファンの間では『通なら当然』といわれるほど有名です。パッケージには『STRONG HOT(激辛)』とあり、耳がツーンとなりますよ」
《総長カレー》(京都大学生活協同組合 カンフォーラ/KBS京都・648円)
「’07年に京大の第24代総長が監修した『学食のカレー』をレトルトにして商品化。まさに学生時代を思い出す“食べやすさ”が魅力です。学内や通販サイトで」
《水戸納豆カレー》(だるま食品・540円)
「水戸納豆なのになぜか萌え系パッケージ。これがウケてるようです。味は欧風カレーで、あまり辛くはなく具材はほぼ納豆だけ。“1度だけでもう十分”という感想もちらほら……」
《松阪牛ビーフカレー》(杉本食肉産業・1080円)
「過去にもブランド牛を使った、3000〜4000円するものもありましたが、ほとんど消えています。しかし、’05年に肉の専門店スギモトが発売したこのカレーはすでに20万食以上。肉の質がよくて量も多く、カレー自体も秀逸です」
《SPACE CURRY 宇宙日本食レトルトカレー》(ハウス食品・540円)
「JAXA(宇宙航空研究開発機構)とハウス食品の共同研究で開発された“宇宙日本食”。宇宙では骨密度が低下するので、カルシウムを強化しているというロジカルなカレー。しかもまさかのうまさ(笑)。科学博物館の売店、オンラインショップなどで購入できます」