コロナ禍の影響もあり、例年にも増して「家計が苦しい」という人が多い。’19年10月の消費税引き上げでダメージを受けた家計に、コロナショックが追い討ちをかけた格好だ。なんとか家計を守ろうと、食費を削り、小遣いを減らす“ガマンする節約”を始めた人もいるだろう。だが、ガマンは生活のゆとりを奪い、心身ともに苦しくなるため続かないことも多い。
「家計の見直しは、まず固定費に手をつけることをお勧めします」
ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんはそう話す。固定費とは、定期的に決まった金額がかかる支出。住居費、スマホなどの通信費、また生命保険などの保険料が挙げられる。これらは一度見直しを行えば、その後は見直し効果がそのまま続く。ガマンのいらない“ほったらかし節約”だ。
そうとなれば取りかかりたいところだが、固定費のなかでも特に見直しが難しいのが保険だ。専門用語も多く、きちんと理解するのが難しい。
「保険に関することを『簡単だ』という人に私は会ったことがありません。それでも、保険に加入してから一度も見直したことがないというのは、せっかくの“埋蔵金”に気づかないようなものです。保険の見直しには、勢いが必要です。思い立ったが吉日。今すぐできるところから始めましょう」(竹下さん・以下同)
竹下さんが、保険の見直しのポイントを解説してくれた。
■「健康なうちに」考える
保険を見直すと、ほかの保険への切り替えや今の保険の保障内容の変更などが必要になるかもしれない。そんなとき、健康であることが重要だ。健康状態が悪いと、当然保険料は割高になる。プラン変更ができない、さらには希望する保険の加入を断られるといった不都合が起こりかねない。
「年を重ねるごとに、病気になる確率が上がります。見直しはできるだけ早いうちに行いましょう」
■保険料は「収入の5%」が目安
「さまざまな不安に備えて保険に入りすぎて、保険料の支払いに無理がある方をよく見かけます」
50代以降は役職定年などもあり、それまでより収入が減る人も多い。家計全体の支出を考えると、保険料は収入の5%を目安にしよう。
「貯蓄でも対応できることが多いと思います。保険は“必要最低限”に抑えることが大切です」
■「まとめ払い」を活用すること
月払いを年払いに変更するなど、まとめて払うことで保険料を抑えることができる。たとえば、月々2万円の保険料が、年払いにすると22万円になり、1カ月分お得になるといった具合だ。
「冬のボーナスで始めてみるのも手です。変更の手続きも電話1本で済むので簡単です」
ポイントをおさえた「保険の見直し」で家計の防衛を!
「女性自身」2020年11月3日号 掲載