【コツコツと小銭貯金をやっている】
大きな貯金箱につり銭などを貯め、いっぱいになったら郵便局で貯金口座に入金する。家計を助ける貯蓄術として昭和のほとんどの家庭で実践された。だが今は、小銭の預け入れに手数料がかかる。たとえばゆうちょ銀行の場合、窓口で51枚以上の硬貨を預けると550円の手数料が。硬貨の数が増えるほど手数料も増える。せっかく貯めても目減りする小銭貯金はおすすめできない。
【国公立大学だからお金はかからないと考える】
「うちの子を国立大学に入れさえすれば、学費はかからない」と言えたのは昭和まで。デフレで給料が増えないなか、教育費の高騰は続いている。国立大学の年間授業料は1975年度の3万6000円から、2023年度は53万5800円と約15倍に。東大生の42.5%が、年収1千万円超の親を持つというデータもある。私立大学は文科系学部で年100万円ほど。国公立だろうが私立だろうが、大学にはお金がかかる。
【給料は年次に従い、右肩上がりに増えていくはず】
昭和の会社は終身雇用制で、給料は年次に応じて増えていくものだった。だが、バブルの崩壊、リーマンショックなどを経て、日本経済は“失われた30年”といわれるほど低迷し、給料が上がらないように。2023年の春闘は30年ぶりの水準の賃上げに沸いたが、物価の高騰は賃金の上昇を上回っており、実質賃金の低下は続く。成果型の賃金体系も増え、年功序列の給与制度は崩壊しつつある。
【「いずれはマイホーム」持ち家にこだわっている】
昭和のころは地価高騰で、全国で購入価格より高く売れた物件も多かった。しかし、今は二極化が進み都心の地価は高騰する一方、地方の地価は低迷している。今は住宅ローン金利が低いことから、高額のローンを組んで虚栄心を満たす大きな住宅の購入も可能だが、今後の経済状況次第で金利の引き上げも否定できない。立派な住宅に暮らす、住宅ローン破綻予備軍はたくさんいるのだ。
【中古品を買うなんて恥ずかしいと考えている】
昭和のころは、他人が一度でも使った中古品は新品より劣るという認識が一般的で、「新品を買い、使い倒して、最後は捨てる」ものだった。今では若い人を中心に中古品への抵抗感も薄れ、リユースはエコで環境に優しく格好いいことに。さらに「中古品を買う」だけでなく、「使い終わったものを売る」流れもできて、メルカリなどが大人気。所有の意識、ものの価値が変わっている。
【家族でお金の話をしない。話すのはみっともないと考えている】
昭和のころは「お金、お金」とあくせくする人は「みっともない」とする風潮があったが、今は堂々と「お金を稼ぎたい」と言う人が多い。また節約なども家計の管理者だけでなく、家族で話し合って一丸となって取り組んだほうが効率的。相続についてもオープンに話し合うことが大切だ。学校でも、2022年度から高校の家庭科で「投資信託」を教えるなど、お金を公に語るのは当たり前の時代に。