■各販売会社の特徴を知り安いだけじゃないPBを
確かに低価格がウリのPBだが、いまや安さだけでは他社と勝負できないそうだ。
「これまでPBといえば安い定番品が中心でしたが、最近はトレンド感のあるもの、新しい流行を生み出そうと冒険的なものなども増えてきました。
販売会社ごとの特徴を知って、安いだけじゃないおいしいPBを生活に取り入れてほしいです」(スギアカツキさん)
そこで、矢野さんとスギアカツキさんに、コスパや味を厳選したおすすめPBを教えてもらった。
「PBといえばまずはイオンでしょう。なかでもレトルトの『タスマニアビーフカレー』はイチオシです。ゴロゴロの肉感をぜひ味わってほしいです」(矢野さん)
「イオンのギリシャヨーグルトは、大手メーカーのナショナルブランド(NB)商品と比べても、味にまったくそん色なく、そして安い。SNSでも話題でした」(スギアカツキさん)
また、イオンは食物アレルギーを起こす可能性の高い卵や乳などの特定原材料を含まない「おこめでつくったスパゲッティ風」などを販売している。
「アレルギー対応食のPBがあるのはイオンだけ。PBだからこその低価格もありがたいところです」(スギアカツキさん)
安心感のある商品の多いイオンと比べて「個性的なPB商品が多いのは西友」(スギアカツキさん)。
PB「みなさまのお墨付き」は消費者の支持率80%以上のものだけを商品化しているそう。ハズレがなさそうだが……。
「特にエスニック系のレトルト食品がおいしいです。『マッサマンカレー』やご飯にかける『ガパオ』がおすすめ」(スギアカツキさん)
そして、PBといえば忘れてはいけないのが業務スーパーだ。販売するのはオリジナル商品、PBがほとんどだ。
「冷凍野菜などは大容量が安いので大人気ですが、冷凍スイーツにも定評があります。
なかでも『ぷち大福』に果物を挟んだ簡単手作り『フルーツ大福』がSNSでバズっていました。
業務スーパーはマニアが多く、PBを使ったレシピなどを公開しています。『買ったはいいが、どう使えばいいかわからない』ときはネット検索するとヒントが見つかりますよ」(スギアカツキさん)
PBはスーパーの垣根を越え、コンビニでも勢力を伸ばしている。
「セブン-イレブンには、価格重視の『セブン・ザ・プライス』と、おいしさを追求した『セブンプレミアム』に注目してください。
特にセブンプレミアムは有名店とのコラボ商品が多く、『蒙古タンメン中本』のカップ麺はロングヒット商品です」(矢野さん)
イオンは「全責任をイオンが負う」として製造会社を伏せているが、ほかのPBは商品裏面に製造会社が記載されている。
蒙古タンメン中本のカップ麺は、カップヌードルなどでおなじみの日清食品が製造会社だ。裏面を見れば、安心できるだろう。
また、ローソンはこれまで20以上のPBが乱立していたが、3月27日に順次「3つ星ローソン」にPBを集約すると発表。ロゴをそろえ、わかりやすく手に取ってもらいたいのだろう。PBの重要度が上がっている証拠だ。
