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「共働きであるものの、会社員の夫は平均的な収入で、高2と中3の娘にはお金もかかる時期。けっして余裕があるわけではないわが家ですが、たまの旅行や外食なども楽しみながら、4年で1千万円を貯めることができました」

 

こう力強く語るのは、インスタグラムで家計管理術を発信している主婦・なみさん(41)だ。“今度こそ、お金を貯めるために、頑張って節約しよう!”と目標を立てても、結局長続きせずに気づけばまた赤字……という経験のある人は多いだろう。家計のルールの見直しで資産を増やすことに成功したなみさんだが、かつては“生粋のケチ”で、お金を使うこと=悪とまで考えていたと振り返る。

 

「生活が苦しくなくても、お金は“節約しなきゃいけないもの”という考えがあったんです。いまだに夫から文句を言われますが、結婚当初は風邪をひいて病院に行く際も、自分のお小遣いから診察代を出させて。『それすら出してくれないの?』と、驚かれたりしていました。家族旅行に出かけても、夫や子供が楽しそうにお土産を買う様子を見て“貯金がゼロになる”“私だけ節約を頑張っているのに!”というように、不安と怒りで、まったく楽しめなかったんです」

 

ボーナスの時季には、全額貯金派のなみさんと、好きなことに使って働くモチベーションを上げたい夫がぶつかっていた。こうした反省があり、やみくもにお金を貯めることに執着する生活からの脱却を決意。今を楽しむ使い方をしながら、自然に貯まるシステムを作ろうと試行錯誤を重ねた。その結果たどり着いた、“支出にメリハリをつけるポイント”を、なみさんに教えてもらった。

 

なみさんはふだんの生活で、無理のない範囲で“ムダなお金を使わない”生活を心がけているという。たとえば食材は毎週土曜日にまとめ買いし、平日の買い物は控えているそうだ。

 

「仕事をしているので、週に何度も買い物に行くのは大変です。土曜日に、1週間の献立を考えながら書いた買い物メモを夫に渡して、買い出しを頼みます。

 

ウチの場合、家族4人の1週間の食費は2万円が目安。ホットプレートで餃子を焼いたり、ハンバーグを作ったりするので、ひき肉は1kg単位で買ってきて、100~200gごとに小分けして冷凍するようにしています。金曜日には買ってきた食材を使い切って冷蔵庫を空っぽ状態にすれば、食品ロスもなくせます」(なみさん)

 

京都市の調べでは、食品ロスをなくすことで、1世帯あたり年間6万円節約できるという。

 

ただし、まとめ買いには注意も必要と警鐘を鳴らすのは、ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。

 

「料理が苦手な人は食材をムダにしてしまうリスクもあります。まずは週2~3回の買い出しから始めて、回数を減らしていくことをおすすめします」

 

いっぽう、日用品は腐るものではないので、セールのときにまとめ買いしてストックしておく。

 

「毎週日曜日は、1週間ごとの家計簿をつけます。食費・変動費・日用品の費用はそれぞれポーチに現金を入れて管理していますので、1週間ごとにレシートをチェックしておけば、予算オーバーしないように調整できます」(なみさん)

 

使わないものをフリマサイトに出品することも忘れないそうだ。

 

「私はマネー関連の本を多く読みます。新刊は2千円前後のものが多いですが、すぐに読んで出品すれば定価の9割ほどで買い手がつくことも」(なみさん)

 

家族で外出するときは、買い食い防止のために、人数分の水筒、飴やチョコを持参。

 

「さらに外出の前には、あえて炊飯器のタイマーをセット。遊びに行くと『外食して帰ろうか』となりがちなので、強制的に家に帰るようにお米を炊いておくんです。家族は3カ月に1度行く焼き肉の食べ放題が好きなので『焼き肉のために今日は我慢』と考えれば、子供たちの理解も得やすいです」(なみさん)

 

丸山さんが、給湯パネルの設定を変えるだけの、冬に役立つほったらかし節約を伝授してくれた。

 

「東京ガス都市生活研究所によると、給湯温度を42度から40度にすれば年間2千153円、湯量を200リットルから180リットルに減らせば年間4千305円、給湯から追いだきにすれば年間1万2千779円の節約ができます」

 

無理がたたらない水準での、日々の積み重ねが大切なのだ。

 

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