「まだ30代なのに、『焦点が合わない』『ものがぼやけて見える』と訴えて、来院する患者さんが増えています」

 

そう話すのは、ドライアイや眼精疲労の治療に詳しい、みさき眼科クリニック院長・石岡みさき先生。一見、加齢による老眼に似た症状だが、実際はスマートフォンの使いすぎによる“スマホ老眼”と呼ばれるもの。スマホが爆発的に普及したこの3〜4年で急増したという。

 

「一般的な老眼は、加齢により水晶体が硬くなり、ピント合わせができなくなることが原因。しかし、“スマホ老眼”でものがぼやけて見えるのは、水晶体の硬さを調節する毛様体筋の緊張状態が続き、視線を変えたときに正常にピント合わせができなくなっているから。医学的には『調節緊張』と呼ばれています」

 

石岡先生によれば、一般的な老眼は回復することはないが、スマホ老眼はあくまで一時的な症状。そこで、スマホ老眼を解消する7つの対策を教えてもらった。

 

【1】スマホは顔から40cm離して見る

「スマホを持つ手は気づかぬうちに顔に近づきがちですが、40cm離して見るのが理想です」

 

【2】文書作成など、パソコンでできることはパソコンで

パソコンなら、スマホと違い、ディスプレーから適度な距離を保ちやすい。

 

【3】1時間集中して使ったら、10分休憩する

 

【4】スマホを見ている最中でも、ときどき画面から目線を外し、遠くを見る

「3mくらい先でも構いません。一時的にでも、手元からピントを外すことが大切です」

 

【5】ビタミンB12配合の、疲れ目に効く目薬をさす

「“毛様体筋”に作用し、緊張をとる効果があります」

 

【6】1日の終りに温かいタオルなどで目を温める

入浴中にお湯を絞ったタオルを目の上にのせるだけでもOK。

 

【7】メガネ、コンタクトの度数を見直す

 

ものがぼやける、視力が下がった!と慌てる前に、まずはスマホ老眼の対策を試してみては。

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