今年もインフルエンザの季節がやってきた。そう聞くと気が重くなる人も。そこで、インフルエンザ大流行の前に知っておきたい!感染予防のために効果がある接種の方法を、専門家に教えてもらった。最初に聞いたのは、ナビタスクリニック理事長・久住英二医師。
「インフルエンザワクチンは流行している型にどれだけ対応しているかが大事。これまではA型株2種、B型株1種類の『3価』でしたが、今年はB型株1種類が増え『4価』に。これで6割だった予防効果が7割ほどにカバーできるとみられています。通常、インフルエンザは1月末に大流行しますが、それは年末年始に、首都圏から感染者が全国に散らばり、広がってしまうため。それを防ぐためには、とにかく早い段階での接種が有効です。11月中旬までに接種を済ませておくことをおすすめします」
それでも予防接種で、100%感染を防げるわけではない。接種してもインフルエンザにかかる人も少なくない。そこでカギを握るのは、予防接種の効果をより高める対策だ。順天堂大学大学院医学研究科の竹田和由准教授がこう語る。
「私たちの体には、インフルエンザウイルスを排除しようとする『自然免疫』が備わっています。そこで重要な役割を果たすのがNK細胞です。この細胞が活性化していると、インフルエンザの感染率が下がります。最新の研究では予防接種の3週間前から乳酸菌を多く含むヨーグルトやヨーグルト飲料を毎日とっていると、NK細胞がタイミングよく活性化することがわかっています」
とはいえ、大切な試験を控えた受験生にとって、インフルエンザ対策は、万全にしておきたいもの。小児科医の小名博子医師にも聞いてみた。
「基本的に予防接種は13歳未満で2回、それ以上では1回となっています。しかし、13歳以上でも任意で2回の接種も可能です。その場合、0から15歳で、1回の接種では68%だった発症予防が2回の接種で85%に。また16歳以上でも同様に55%から82%まで上がったという報告も。特に受験生は、試験日から逆算して計画的に接種したほうが無難です。これからの季節は追い込み勉強もありストレスの強い時期。受験当日に合わせるのではなく、年内中には2回の予防接種を終えておくほうがいいでしょう」