特効薬はなし、武漢発「新型コロナウイルス」の強まる感染力
武漢市内の市場から発生したといわれている(写真:アフロ)

「武漢市内の駅構内では、マスクをしたスタッフが消毒する姿を見かけるし、街中では薬局やコンビニなど、いたるところでマスクが売り切れ状態。異様な雰囲気です」(中国に詳しいジャーナリスト)

 

中国・武漢市から感染が拡大している新型コロナウイルス。日本でも16日、武漢に滞在していた30代男性の感染が認められた。その後、タイ、韓国、台湾、そしてアメリカでも感染者が出たことが報じられている。

 

20日に北京市と上海市で感染例が確認されてから、日を重ねるごとに数百人単位で感染症の数は増加し続けている。この現状について、国立国際医療研究センターの忽那賢志が解説する。

 

「感染者の多くは武漢で発症しており、ほかの地域で発症した人でも、武漢に渡航歴がある人に限られていたのですが――。21日に北京市で発症した患者の1人は、武漢に滞在していませんでした。つまり、別人からの“二次感染”が強く疑われており、“人から人へ移るウイルス”であることがわかったため、さらなる警戒態勢に入っています」

 

アメリカに住む内科医の大西睦子さんが、現地の対応を語る。

 

「CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、武漢からの飛行機の受け入れをロサンゼルスやニューヨーク、シカゴなど5カ所に絞り込みました。空港内では、症状や発熱のチェック、多くの感染者を出した生鮮市場への訪問の有無を問うアンケート調査も行われています」

 

日本でも24日、外務省が武漢市含む湖北省全体への「渡航禁止」を勧告。各国が厳戒態勢を敷いているが、25日から中国圏は「春節」と呼ばれる大型連休に突入している。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは、こう警告する。

 

「春節では、中国国民の富裕層の大多数が旅行へと繰り出します。人気旅行先である日本にも、多くの中国人が来るでしょう。日本で新たな感染者が出ることも想定しておくべきです」

 

危惧される日本国内での流行の被害に遭わないために、私たちはどのように対策すべきなのか。前出の忽那さんに、新型コロナウイルスについての疑問をぶつけてみた。

 

【疑問1】どんな症状が出る?

 

「潜伏期間は7日間ほど。初期症状は発熱やせきなどです。そしてだんだん呼吸困難に見舞われ、肺炎を引き起こします」(忽那さん・以下同)

 

【疑問2】感染力は強いの?

 

「人から人へ二次感染する原因は、くしゃみやせきなどによる飛沫感染と思われます。現在報告されている、二次感染に関しては、1〜2メートルほどの距離で、長時間一緒に過ごした濃厚接触によるものです」

 

【疑問3】死に至るケースもある?

 

現在のところ、致死率は約3%。ちなみにSARSの致死率は9.4%、MERSは約34%。2つと比較して、今回の新型ウイルスは致死率は低いとされているが、現在重症化しているケースで死者が増えれば、致死率も上がる。

 

「特に注意したいのは高齢者です。1人目の死者である61歳男性は、肺疾患と悪性疾患の持病があり、4人目の89歳男性は、糖尿病や心疾患の持病がありました。持病のある高齢者が重症化しやすい傾向にあります」

 

【疑問4】どんな治療法がある?

 

「基本的には、熱があれば解熱剤、脱水があれば水分補給などといった、対症療法にとどまってしまいます。特効薬はなく、抗生剤も効き目がないのです」

 

せき、発熱などの違和感を感じたら、すぐに病院に連絡をとり、そのうえで通院し、診察してもらうようにしよう。

 

「女性自身」2020年2月11日号 掲載

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