■お友達との会食にはリスクが潜む!
みのさんが食べ物をのどに詰まらせたのは会食中だが、飲み込む力が低下している場合は、会話しながらの食事には注意が必要だ。
「食べ物を飲み込むためには、のど仏をしっかり上に動かすことが重要です。そのためにあごを引いた状態がいいのですが、笑ったりして顔を上に向けると、のど仏が上に持ち上がりづらくなります。
また、おしゃべり後の息継ぎのタイミングが遅れたりすることでも食べ物が気管に入ってしまう誤嚥を起こしやすくなります。そもそも会話に夢中でしっかり飲み込むという動作を忘れがちになってしまうのです」(浦長瀬先生)
食事中に誤嚥しないようにするためには、飲み込む際に必要なポイントを理解することが大切だ。〈のど仏をしっかり上げる〉〈飲み込むときにあごを少し引く〉〈歯を軽くかみしめる〉、という動作ができれば誤嚥しにくくなる。
■喉につまった時に、水を飲ませるのはNG!
では、食事中に窒息事故を起こした場合はどうすればいいのだろうか?
「のどに食べ物が詰まった場合は、救急車が到着する前に応急措置として、とにかく息を吐かせることが大事。背部法やハイムリッヒ法(イラスト2)で、息を吐かせて食べ物や異物を排出させます。水を飲ませたり、掃除機で吸い出そうとするのは、気管に食べ物を押し込むことになり逆効果です」(浦長瀬先生)
おしゃべりしながらの食事は楽しいが、若いころとは違うと心得て、飲み込むことに集中しよう。

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