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「円高ではない今は、たとえばフランスブランドの商品をフランスで買っても日本で買うより高くなることも。でも、海外旅行者が必ずトクできるシステムがあります。それが免税。通常課される付加価値税や消費税などが免除される分、為替による差が生じなくても、税金分だけは安く買い物ができるんです」

 

こう話すのは、免税に詳しいライターの井手あやこさん。夏休み、海外旅行のご予定は?円高時代のように気軽にブランドショッピングはできないものの、やっぱり欲しいあの一品。’17年夏は“現地買い”より“飛ぶ前買い”がおトクな場合も。そんな免税店には3種類ある。日本を例に井手さんが解説してくれた。

 

「まず『空港型免税店』。空港の中にあり、海外旅行者のみが利用できます。消費税のみならず関税も免除されるのでかなりトク。2つ目は市中にある『TAX FREE SHOP』。消費税のみの免除なので、空港型より高くなります。海外の場合は一度税金を支払い、空港で税金還付手続きをします。そして『空港型市中免税店』。海外渡航の予定がある人のみ購入可能。商品を出国時に空港で受け取り、空港型免税店と同じく関税と消費税を免除されます」

 

もっとも簡単に免税を受けられるのは、出国時に空港型免税店で買い物をすること。関税と消費税(または付加価値税)の両方が免除される。超円高時代のように為替の“差額”でトクできない分、免税を制す者がブランドショッピングを制すというわけだ。

 

今回、日本の主婦がもっとも多く旅先に選ぶ海外4地域ーー台湾、韓国、ハワイ、グアムーーで、人気の商品の価格を免税店および市中店で調査。現地在住者に依頼したところ、各地域から上がったのは「日本ほど空港型免税店が充実しているところはない」という声!ブランドによってはほかの国で買うより多少高くなる場合もあるが、広い選択肢のなかからおトクに買い物ができるという点でも、羽田、成田、関空などのメガ空港の免税店がいちばんおススメだという。そこで、記者が実際に羽田空港の免税店の価格を確かめてきた。

 

【カルティエ】

 

市中価格より消費税8%の分だけ安い。が、7月現在、『タンクフランセーズ SM スティール』の本国フランスおける価格は税込み3,150ユーロ(約40万9,500円)。手続きをして最大15%の還付を受けたとしても約34万8,075円と、羽田のほうが安い!しかも、取り寄せ&月末までの取り置きも可能だ。カルティエ狙いなら国内空港が吉!

 

【コーチ】

 

関税、消費税が免除に。が、米ブランドは米国がもっとも安い。『イーディ ショルダーバッグ 28ポリッシュド ペブルレザー』はアメリカ本土だと295ドル(約3万3,010円)。州ごとに税率が異なるうえに還付制度がないので、税率の低い州で買うと◎

 

【グッチ】

 

市中より20%安い。取り寄せは不可だが取り置きは2カ月前から。『GGブルームス お札入れ付きカードケース』は本国イタリアで220ユーロ(約2万8,600円)。手続きによる免税還付の相場・10%が還付されれば約2万5,740円。税金還付の手続きナシなら羽田が安く、還付されればイタリアが少し安い。

 

【エルメス】

 

『手帳レフィル 1ブロック 英仏二カ国語』は売り切れだったが、今回調査した地域では日本の免税店がもっともおトクだった。エルメスの割引率はモノによって変動し、革製品なら市中より10〜15%安くなる。1カ月前から取り置き可能、取り寄せは不可。

 

【ティファニー】

 

関税と消費税のオフで市中より20%安い。ただし鑑定書付きダイヤモンド(0.18カラット以上)の場合は10%オフ。米国ブランドは米国購入が安く、『エルサ・ペレッティダイヤモンド バイ ザ ヤードペンダント ダイヤモンド0.08カラット プラチナ』は975ドル(約10万9,086円)。が、本店のNYで購入した場合は税率が8.875なので1,061ドル(約11万8,700円)となり、羽田のほうが安くなった。

 

ブランド買いは、まずは国内免税店をチェックすべし!

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