「結婚式でのお祝いは、出せる範囲の気持ちで贈るのがお祝いですから、個人の財力や相手との関係性でそれぞれ違って当然です。ですが、日本人は皆一緒と考える人が多く、最近は一律になっているようです。マナーには『こうしてはいけない』という決まりはありません。自分らしい心の伝わるマナーを身につけるようにしてください」
こう話すのは『清紫会 新・作法学院』学院長で、『冠婚葬祭・おつきあい 大人のマナー事典』著者の近藤珠實先生。冠婚葬祭やお付き合いで実はいちばん悩むのが『お金のマナー』。“相手に失礼のない金額は?”“平均金額は?”……。そこで、今流の結婚式のお金のマナーを近藤先生が教えてくれた。
【お祝い金額は奇数にすべき?】
「偶数でもかまいません。なので2万円でもOK。2はペアという意味もあります。ただ日本人には『4=死』『9=苦』という感覚があるので、この数字だけは避けたほうがよいでしょう」
【お祝い金額はいくらが妥当?】
「参列者の飲食代+引出物代と考えたお祝い金は、20代なら2万円、30代なら3万円が基本ライン。後は贈る側の気持ちと関係性、財力など個人の判断で決めましょう」
【披露宴に来られない人のお返しは“倍返し”?】
「昔は、新郎新婦が披露宴に招待し、たくさんのお食事やお土産などで歓待したことから『お祝い事は倍返し』といわれましたが、現代では頂いたお金の半額程度、半返しが基準です」
【結婚祝いはお金が正式?品物ではダメ?】
「もちろん品物でもOK。本来は品物を贈るのが正式でしたが、現代では贈り物が品物からお金に変ってきました。贈り物は新郎新婦が新居に荷物を運ぶ前、遅くとも結婚式の1週間前までに届けます。本来は大安・先勝など吉日の日の午前中に届けるのがマナーです」
【夫婦で出席する場合の祝儀袋は夫婦連盟でいいの?】
「以前は夫婦で出席しても夫の名しか書かないことが多かったのですが、最近は連名で出す人が増えています。まず夫のフルネームを書き、横に妻の名前のみを書きます。また、友人や同僚と連名にする場合は、3人まで。右に年上、あるいは地位の高い人の名前をかきます」