■大事な鉄筋に穴が…耐震を危うくする欠陥
それでは、どのような“欠陥”が見つかることが多いのかーー。
「コンクリート壁の中には鉄筋が埋め込まれているのですが、建築工事会社と設備工事会社の連絡が悪く、配管や配線を通すために、“コア抜き”といって、後から穴を開けることになると、埋め込まれた鉄筋を切断することになります。構造上、影響の少ない鉄筋であればいいのですが、影響の大きい主要な鉄筋を切ってしまうケースが見つかることがある。過去には、コア抜きが1千カ所近く見つかったケースもありました」
耐震構造を図面どおりに仕上げていないケースはほかにもある。
「耐震スリットといって、地震の揺れで壁が柱を折ってしまうのを防ぐために、柱と壁の間に隙間をつくる工法が一般的ですが、これが欠落していることがあります」
外壁をタイル張りにしているマンションも多いが、これが浮いていたり、剥がれて落ちてしまうトラブルもよく見つかるという。
こうしたトラブルがないよう、住んでいる物件が、手抜き工事が発覚した施工会社でないのかも、管理会社に問い合わせてみてもいいだろう。