■建物の倒壊から身を守るシェルターへの助成も
たとえ建物が倒壊しても、身を守る空間を確保してくれる頑丈な耐震ベッドや耐震シェルターの導入を助成している自治体も多い。
「東京都町田市では1981年5月31日以前の住宅など諸条件を満たせば、耐震シェルターおよびベッドに対して、一般世帯の場合は費用の2分の1(上限20万円)、高齢者世帯の場合は費用の10分の9(上限50万円)を助成してくれます」
親が死亡したり、施設に入るなどして放置されている空き家があるなら、老朽危険空家除去費用の助成制度などを検討しよう。
「倒壊の危険があって隣家に迷惑がかかったりする『特定空家』などに対して、解体費用を助成してくれます。上限金額は自治体によって幅があり、30万~100万円ほど」
たとえば東京都杉並区の場合、除去工事費の80パーセント(上限150万円)だ。
【防犯編】
東京都八王子市の場合、防犯対策品を同市内の販売店等で購入・設置するなど一定条件を満たした場合、費用の2分の1(上限2万円)を補助してくれる。
対象となる防犯対策品は、敷地内に設置する防犯カメラ、防犯フィルム、防犯性能の高い錠や補助錠、センサー付きライト、カメラ付きインターホンなど幅広い。予算残額が4割を切っているので、早めの申請が求められる。
東京都足立区でも防犯対策物品48種を対象に助成。八王子市でも扱う物品以外に、電動自転車のバッテリーロック購入費用の3分の2(上限1300円)、窓ガラス破壊センサー費用の2分の1(上限1500円)、ネットを発射して犯人を捕らえるネットランチャー費用の2分の1(上限2万5000円)など豊富だ。
■スマホの買い替えに3万円の補助もある
アポ電や特殊詐欺の被害も後を絶たないため、電話がつながる前に「この電話は詐欺対策のため録音をしています」などとアナウンスが流れる、詐欺対応型自動通話録音の電話機も、足立区では費用の3分の2(上限6500円)、65歳以上の人がいる世帯には4分の3(上限7500円)を助成してくれる。
こうした詐欺電話は固定電話にかかってくることが多いため、防犯対策としてスマホに切り替える高齢者も多い。
「キャッシュレス決済などの普及に伴い、高齢者への活用を促すために、スマホ購入費用の一部を補助してくれる自治体があります。埼玉県秩父市のシニア世代スマホ購入応援では上限3万円を補助してくれます」
また、高齢になった親の徘徊が心配な人は、位置を把握できるGPS機器のレンタル(月額500~1000円程度)を行っている自治体も。
補助金・助成金を利用して、不測の事態に備えよう。