天候不順などで変動の大きかったスーパーの野菜価格が落ち着いてきた。なかでもお買い得になっているのが小松菜だ。
地域によって違いがあるが、ほかの葉物野菜と比べても安く、例年を下回る価格で販売されている。
農林水産省がデータを提供するWEBサイト「アグリネ」によれば、1kgあたりの市場価格は今年1月の649円をピークに下がり続け、5月22日での価格は260円と値を落としている。
とくに4月末からグンと価格が下がる日があり、特売などでより安く手に入るため、今が買い時といえそうだ。
その小松菜は、鉄分を100gあたり2.8mgと、ほうれん草より多く含む。
なかでもカルシウム量は170mgとほうれん草の約3倍。じつは牛乳の含有量110mgより多いのだ(「日本食品標準成分表 八訂 増補2023年」より)。
そんなお得で高い栄養価を持つ小松菜は、価格が安定している“庶民の味方食材”である油揚げとの組み合わせで、骨粗しょう症予防の効果が期待できるという。
「この組み合わせは、骨の主成分で骨密度を増やすのに欠かせないカルシウムの吸収を促進し、さらにタンパク質を効率よく摂取できる最強食材なんです。
油揚げは小松菜と同様にカルシウムが豊富で、タンパク質も取れます。最近の研究結果では、適切なカルシウム摂取と合わせたタンパク質の摂取は骨の健康に役立つと報告されています」
そう話すのは、病院で栄養指導を行う管理栄養士の瀬戸アオイさん。骨粗しょう症予防の料理教室でレシピを開発したとき、この2つの食材にたどり着いたという。
「小松菜には骨の質を高めるビタミンK、骨の強度を支えるコラーゲンを作る葉酸も含まれています。そのほかにも鉄分やβカロテンなど積極的に取りたい栄養素がバランスよく含まれているんです。
油揚げは、良質なタンパク質の源というだけでなく、油揚げに含まれる脂質が小松菜の栄養素の吸収をよくする相乗効果まであります」(瀬戸さん、以下同)
どちらも安価な食材で、料理のしやすさもポイントだという。
